投資ターゲット

再生可能エネルギーへの転換は、太陽光発電と風力発電を中心に今後も大きく成長していきます。再生可能エネルギーの発電量は記録的な増加を示しており、BP Statistical Review of World Energy 2020によると、2019年の一次エネルギーの増加の40%は再生可能エネルギーによってもたらされています。一方、世界の総エネルギーに占める再生エネルギーの割合は現状約11%に過ぎず、今後も再生可能エネルギーへの転換が数十年単位で進むことが確実な中、非常に多くの魅力的な投資機会が存在すると見ています。また、あらゆる業界で脱炭素化が不可欠となっており、これらを支える法整備や助成金などを含めて、今後の再生可能エネルギー業界の高い成長に寄与するものと確信しています。

洋上風力に関連した技術： International Energy Agencyによると、洋上風力発電の発電量は2019年に5.9GWを超えており、2018年より40%成長しています。中国、英国とドイツが近年の洋上風力発電開発をリード。今後2030年までに、年率13%で成長し、総計20GW以上の追加の容量が見込まれています。特に洋上風力発電の導入には、風力タービン、ケーブル、サブステーションや基礎据付を含めて、これらをデザイン、エンジンエアリング、調達、建設する幅広い技術やサービスが必要となります。また、風力タービンの洋上運搬、据付には高い技術が求められます。各国規制に合致し、厳しい洋上条件に対応できる船舶にも高い技術仕様が求められます。

ケーブルに関連した技術： ケーブルは多様な産業用途に加えて、再生可能エネルギー発電の様々な場面でも使用されています。地球規模の再生可能エネルギー発電量の増加にあわせて、高い効率と環境負荷軽減がケーブルにも求められており、スーパーコンダクター、海底ケーブル、スマート送配電など様々な技術が存在します。さらに、データセンターやデータ転送量の増加に伴い、光ファイバーについても、ロス削減やハッキング防止を含めて高い技術が求められています。

蓄電池と部品： 蓄電技術は、再生可能エネルギーの発電・送電・配電の様々な場面で使われており、家庭用や民生用の定置型のものから電力会社の大規模なシステムを含めて様々な規模で求められます。太陽光発電や風力発電が増え、発電量が自然任せで人為的にコントロールされていない電力が大量に送電網に流れ込むことになる為、発送電の調整と安定性の維持は益々重要となります。蓄電池技術やその部品などの技術開発や継続的投資は今後極めて重要となり、特に蓄電池のエネルギー密度、寿命や充電速度などが肝要となってきます。

環境問題への関心増大や、政府補助金の導入に伴い、産業用・商業用・家庭用のあらゆる領域において、エネルギーサービスやソリューションへの需要が増えています。これらのサービスやソリューションは例えば、電気自動車（EV）や、エネルギーの売買や最適化など多岐に亘ります。政府の補助金やガソリン車の規制導入によって電気自動車需要は急成長することが予測されており、それに伴うEV充電技術、EVバッテリーやそれらを構成する部品・技術には非常に大きな成長機会が見込まれます。また、家庭用や商業用でのエネルギーの最適化の需要の高まりに伴い、マイクログリッド、家庭用・商業用の蓄電システム、バーチャル発電所、スマートメーター、屋根上ソーラーパネル、蓄熱、スマートチャージャーなど、様々な最新技術が生まれてきています。